* 花 咲 か じ い さ ん *
| 絵 本 | 作 者 | 出版社 | あ ら す じ |

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文/ 吉沢和夫
絵/ 桜井誠 |
ポプラ社 |
・昔ある所に、子どもの居ないじいさまとばあさまがおった。ある時、町へ子どもを貰いに行くことになった。
・町へ行く手前の松原の松の木の根元に白くて可愛い小さな犬がいて、二人に「何処へ行くのか」と話し掛けた。
・「二人の子どもにして欲しい」と言う子犬に「町に良い子どもがいなければ子どもにしてやろう」と約束する。
・結局町で子どもが見つけられず、帰りに同じ場所でいた その白い子犬を子どもにすることにした。
・子犬は、茶碗一杯で一杯だけ、二杯食べると二杯だけ、どんどん大きくなった。
・ある日のこと、犬はじいさまに 自分の背中に鞍をつけさせ、かますやくわもつけさせて無理矢理じいさまを背中に乗せて山道を登って行った。
・じいさまは犬に連れられ、指定された所を掘ってみてビックリ!!大判小判やピカピカ照り輝く物をかますに一杯詰めて犬にまたがり家に戻って来た。
・この話を聞いた隣のじいさまとばあさま。犬を借りて自分たちも宝物を掘り出そうと言うことになった。
・うんとでっかい鞍にかますにくわをどっさりつけて、犬の背中にどったりとまたがり山道を登って行った。
・「もうここらでどうだ?」と犬の背中から飛び降りた隣りのじいさまはそこら一面堀散らかした。
・すると、蛇やら蛙、カマキリやらろくでもないものばかりが這い出して来た。
・怒ったじいさまは 犬をくわで叩き殺し、死んだ犬を引きずって来て、かわやの隅に投げ捨ててしまった。
・犬を貸した方のじいさまとばあさまは、死んだ犬を畑の片隅に埋めてやり、その上に松の木を一本植えた。
・ふたりが松の木に毎朝・毎晩水をやるとすっすすっすと伸びて、大きな太い松の木になった。
・ある日のこと、きれいな鳥が松の木に止まって「じいさま じいさま、この木を切って臼にせ。」と不思議な声で鳴きました。
・じいさまは臼を作り、ばあさまと米をつき始めた。すると、ぽんとつくとぽん、ぽぽんのぽんとつくとぽぽんのぽんと宝物が出て来た。
・このことを聞いた隣りのじいさまとばあさまも臼を借り、両側から米をつき始めた。
・すると、牛のくそやら馬のくそやらがべったりどったりと飛び出して、そこら中くそだらけになってしまった。
・怒ったじいさまとばあさまは、臼を叩き割って燃やし、灰をかわやの隅にぶっちゃってしまった。
・臼を貸した方のじいさまとばあさまは、灰を大事に抱えて帰り裏の畑に撒くことにした。
・ある日、じいさまが畑に灰を撒いていると風がふき、手のひらから灰を吹き飛ばしてしまった。
・ところが、不思議なことに風が吹いて灰が振りかかる度に、枯れ木が芽を出し、つぼみになり、ぱぱっと花が咲いた。
・ある日、この村を殿様が通るというのでじいさまは灰を抱えて枯れ木に登り 殿様を待った。
・「枯れ木に花を咲かせる、日本一の灰撒きじじい」と枯れ木に花を咲かせて見せ、喜んだ殿様からどっさりご褒美を貰って家に帰って来た。
・この事を聞いた隣りのじいさまとばあさま、残った灰を貰いかき集めて同じ様に殿様を待った。
・そして、同じ様に灰を撒いたが、花は咲かず、殿様や家来の目に灰が入り、自分の目にも灰が入ってとうとうじいさまの目は見えなくなって木から落ちてしまった。
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まあみ評 |
共通語で語られているので読み聞かせをするには読みやすいと思う。
昔、子供のいないおじいさんとおばあさんが 町へ子どもを貰いに出掛けて行くところからお話しは始まる。
白くて可愛い子犬に子どもにして欲しいと言われ、町で子どもが見つけられなかったことからこの犬を連れて帰るのだが、これは福井県坂井郡の民話から取ったとの事で、作者は犬を『神の申し子』として登場させたいと考えたようだ。
子犬に名前はなく、食べさせると食べさせただけどんどん大きくなり ある日、おじいさんに自分に鞍を着けさせ山道を登って行き宝のありかを教える。
隣のおじいさん・おばあさん と 犬を飼っていたおじいさん・おばあさん の事を意地悪だとか優しいとかの説明はしておらず、あくまで 淡々と語られているので、読み手が先入観なしで受け止めることが出来るのではないかと思う。
枯れ木に花を咲かせる場面では自分の事を「日本一の灰撒きじじい。」と説明する。私は、ちょっと違和感を感じた。
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文/ 松谷みよ子
絵/ 瀬川康男 |
フレーベル館 |
・昔々、ある所にまめまめしく働く まめなじい と ばあ がいた。
・ある日の事、まめなじいは川に魚を捕る籠を仕掛けた。これを見た、隣の怠け者のぶつくさじいは 真似をしてまめなじいよりも、もっと川上に籠を仕掛けた。
・ところが、次の朝行ってみると、 ぶつくさじいの籠には木の根っこが入っているだけだった。
・腹を立てたぶつくさじいは、まめなじいの籠を覗き、魚が一杯入っているのを知ると まめなじいの魚を全部横取りして魚のかわりにさっきの木の根っこを放り込んですまして帰って行った。
・その後、何も知らないまめなじいがやって来た。籠には木の根っこが入っているだけだったが、「いいさ。木の根っこだって 乾かして割れば薪になるだ。」
・まめなじいは木の根っこを日に当ててよく乾かし、薪にしようとなたで割ると 驚いた事に、木の根っこから白い小さな子犬が ぺろっと生まれた。
・じいとばあは 子犬に、しろ と名付けて可愛がって育てた。
・しろはお椀で食べさせればお椀の分だけ、お鍋で食べさせればお鍋の分だけ、お釜で食べさせればお釜の分だけ、ずんがずんがと大きくなった。
・そして、ある時「じいさま、おらに鞍をつけてくろ。」としゃべった。それから、じいにかますを付けさせて くわを担いで背中に乗れと言う。
・戸惑うじいさまをを乗せると、しろは のっしのっし と山へ登った。
・しろは山へ着くと、じいさま じいさま、ここ掘れ ワンワン と言うので、じいさまが掘ってみると大判小判がざくざく出て来た。
・しろはじいさまに、そのお金をかますに詰めて 自分の背中に乗せ、その上にじいさまも乗れと言う。
・戸惑うじいさまを乗せて家に帰ってかますを開けると、その綺麗な事!すくって落として ちりん ぽん しゃらり と音がする。
・まめなじいとばあが喜んでいると、その音を聞き付けて、隣のひこひこばんばが「ひこ ひこ たもれ。囲炉裏の火が消えてしまった。」とやって来た。
・ずかずかと入って来て、大判小判をどうしたのかと大騒ぎするので事情を話すと「それなら しろを貸してくろ、それそれ。」と嫌がる白を連れて行ってしまった。
・隣のぶつくさじいとひこひこばんばは、しろが何も言わないのに 鞍やかますやくわを付け、自分達も背中に乗りこんで、山へ行かせた。
・山へ着くと しろは動かなくなった。ぶつくさじいとひこひこばんばはしろの背中から転がり降りると、くわを振り回して穴を掘った。
・すると、蛇だのむかでだのヒキガエルだの、見たくもなお物が這い出して来た。
・「おのれ、よくも わしらを馬鹿にしたな。」とぶつくさじいは くわをしろめがけて振り下ろし、しろは ころりと倒れて死んでしまった。
・ぶつくさじいとひこひこばんばは 掘った穴にしろを埋め、その上に柳の枝を突き立て ぶつくさ言いながら帰ってきた。
・まめなじいはこの話しを聞くと、泣きながら山へ登った。すると、一晩のうちに 柳は見上げるばかりに育って、冬だと言うのに青々していた。
・まめなじいが しろの形見の柳の木で臼を作り、ばあと二人で米をつくと じいの前には大判が、ばあの前には小判が出て来た。
・そこへ「ひこ ひこ たもれ。」とまた隣のばんばがやって来て大騒ぎになり、隣のばんばは臼を借りて帰り、ぶつくさじいと米をついた。
・ところが じいの前には牛の糞ばあの前には馬の糞が出て来たので、隣のじいとばあは腹を立て、臼を叩き割って燃やしてしまった。
・まめなじいとばあは泣いて、せめて灰だけでも貰って来よう と、ざるに灰を入れて帰ろうとした時、さあっと風が吹いて灰を吹き上げた。
・良い音がして、灰の掛かった枯れ木に花が開いた。梅の木には梅が、桜の木には桜が、桃の木には桃が、灰をつかんで撒けば花が咲く。
・そこへ殿様が通り掛かり、「これは不思議。これは見事。」とじいに沢山のご褒美をくれた。
・それを見たぶつくさじいは悔しくてたまらず、残った灰をざるに入れ、「日本一の花咲かじい、枯れ木に花を咲かせましょう。」と怒鳴って歩いた。
・殿様がそれを聞き 花を咲かせるように言い付けたが、花が咲くどころか 殿様も家来も灰だらけになってしまった。
・ぶつくさじいは、無礼者 と、さんざん叩かれた。
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まあみ評 |
このお話しでは、最初から働き者で優しいまめなおじいさん・おばあさんと、隣家の怠け者でがめついおじいさん・おばあさんを対比しており、その徹底振りが絵を見ていても面白く、楽しめる。
可愛い子犬が薪の中から生まれて来るのは、神様からのご褒美なのだろうか?!子犬には「しろ」と名付けられる。
しろがどんどん大きくなって、ある日 突然話し始める辺りも分かりやすく丁寧に語られている。
是非、小さな子ども達にも読み聞かせて欲しいと思う。
枯れ木に花が咲く場面が素晴らしく美しい。
講談社(1969年刊)の『はなさかじい』を再構成されたとある。
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